暴飲暴食は本当に、よろしくない。昨日私は3日分の努力を無駄にした。やせたい。あと3キロ、欲を言えば5キロやせたい。あのちゃんくらい細くなりたいがしかし痩せたところで痩せたブスが出来上がるだけやんけ!!!何があのギャルだ!!!!!!!!殺すぞ!!!!!!!!!!!!!ファーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 って自棄になってしまったのがよくなかった。まあいい。もともと自制心がゴミクズなのでこのくらいの気概を持って生活していないとあっという間に連日の暴食男祭りの果てにブクブクと肥え太るのは容易に予想できる。あったかい麦茶でやり過ごそう。頑張るぞ!

 

 こういう時にはりんごがいい。椎名林檎のライブDVDを見てモチベーションを高めようというわけではなく(しかし林檎嬢のおみ足がえっちであるのは事実)、文字通りりんごをかじって生活する。りんごはいい。甘くておいしいし、この時期ならちっちゃいサイズで袋詰めされてるお手頃なやつが近所でも売ってるし、何より暴食を誘発しない。

 1枚60kcalのクッキーを一枚だけ食べるのと、1個100kcalのりんごをまるごと食べるのとどちらがよろしいか。圧倒的スケール感で後者の完全勝利である。そもそも前者ができるやつは今頃枝のように細く顔は小さく唇はみずみずしく肌は陶器のようにつややかかつ英語も堪能で日曜日は髪を丁寧に巻き尊敬できるパパとママに見送られて外出し待ち合わせた愛するパートナーと原宿でパンケーキでも食っていることだろう。

 しかし文字通りのまるかじりはこれもよろしくない。野生としての本能が目覚めてしまう。我らデブの使命はいかにこれまでのさばってきた凶悪なる本能と欲求を駆逐し理性で以て人類に勝利をもたらすかということにある。漫然と餌を食いたくなるのは知能労働中だ。それも単純計算などではなく随所随所創意工夫で脳みそ絞らなくてはいけないようなやつ。そんなときにはワークスペースの外の邪魔にならない辺りに皿を置き、その上にりんごを一つ、そしてそばに包丁を置いておくのがよい。ちょっと疲れて食いたくなったらその場で一切れずつカットして芯をとってポリポリ食べるがよい。

 

 本当は餌も食わないくらい集中するのが一番いいのはわかっておる。餌を食わなくていいときというのは、充実した心持のあるときだ。今まさに目の前にやることがあって、意識や手が休みなく働いているときだ。逆に餌を食いたくなるのは考えても思いつかないとき、あるいは考えることがなくて暇なときで、つまり思考が止まっちゃってるときだというのは経験上わかっている。夜道を一人歩いて考え事をしていて、結果茫漠とした不安に襲われ歩きながら死にたくなっちゃったときなんかはもうすぐに最寄りのファミマに駆け込むしかない。肉を噛み脂を啜り塩気と湯気で視界を曇らせることによってなんとか踏切に飛び込むのは避けるのである。こうして「餌食ってる時しか幸せじゃない」なんて悲惨な人ができあがる。あー100円の菓子パンが食べたい。